「読売・日テレに元財務高官が続々天下り」の記事に思う二つのこと
プレジデントに「元財務高官が続々天下る読売・日テレの狙いは」という記事が出ました。
NewsPicksのコメント欄はこちら(90人くらいコメントしてますね)。
途中経過ですが、NewsPicksのコメント上位はこうなってます。
なんというか、コメントが全体的に諦めムード。
朝日がやったらボコボコにたたかれるんでしょうけど、読売にはみなさん甘いですね。
思ったことを二つ挙げます。
一つは、NewsPicksが伝統メディア離れを加速させる面があるということ。
もう一つは、特定の新聞社にお金を払ってくれる人は、今後ますます減っていくであろうということ。
まず前者から。
NewsPicksはそもそも新聞社を中心に、伝統メディアやネットメディアからの記事提供を受け、それを論評することで成り立っているサービスです。
NewsPicks自体は画期的なサービスで、独自のコミュニティーを形成し、ユーザーの忠誠度も非常に高い。
ただ、そもそも経済ニュース中心のサービスでもあり、例えば吉田調書のような硬派なジャーナリズムはあまりウケません。
逆に伝統メディアを批判するためのネタは非常に読まれます(先日の朝日の「ベネッセが謝罪を外注」とか「LINEで約束 決闘容疑で少年逮捕」とか)。
NewsPicksは着実にユーザーを増やしつつあり、しかも情報感度の高い人たちが集まっています。
朝日を始め、伝統メディア側は「記事は読まれてナンボ」と思って記事利用を許可しているんでしょうが、結果的に「これだからオールドメディアはオワコンなんだよ」「新聞・テレビは解体しろ」という「伝統メディア不要論」を醸成しているように見えます。
かと言って、この手のニュースキュレーションサービスに記事提供をやめるわけにもいかないんでしょうが……。
次に後者。
NewsPicksに限らないんですが、ニュースキュレーションサービスというのは、あらゆる新聞社や出版社、ネットメディアなどの記事をかき集め、読者に提供します。
極論すると、ここでニュースを読むユーザーは、その記事を朝日新聞が書いたのか個人ブログが書いたのかについて、あまり興味がないわけです。
彼らは「バランスよく様々なメディアの情報を得ることが健全」だと考えていて(実際そうだと思いますが)、特定のメディアにお金を払って情報を得ようという発想がそもそもありません。
その点、日経だけは例外で、そこが日経の強みでもあるわけです。
これは、経済ニュースは必需品であるということと、「日経は政治的に色がついておらず、論調がニュートラルである」というイメージが大きいでしょう(実際どうかは別にして)。
今後SmartnewsやGunosy、NewsPicksといったニュースキュレーションサービスがますます普及し、社会に不可欠なインフラになると、もはや若年層が朝日新聞など特定の会社のコンテンツにお金を払ってくれることは極めて難しくなると思います(そういう文化の中で育っていないので)。
ニュースキュレーションサービスの問題は他にもいろいろあります。
そもそもの原因をたどるとYahooまでさかのぼりますが、こういった「コンテンツを作らず、情報の流通で稼ぐ」人たちとどう共存していくのでしょうか。
朝日を始めとした新聞社側は早急に手を打つべきでしょう。
会社の枠を超えて話し合うべき課題だと思うのですが、そういう会議って開かれているんでしょうかね。