「朝日が慰安婦問題で一部記事を取り消し」のコメント欄
朝日が5日付朝刊で慰安婦問題の特集を組み、過去の記事の一部(いわゆる吉田証言)を取り消した他、用語の誤用などを認めました。
NewsPicksでは、産経の記事「朝日新聞、慰安婦問題で一部反省 吉田証言『虚偽と判断し記事取り消します』」が取り上げられ、TOP20ランキングで最高位10位くらいまでいったと思います。
当時のコメント欄をキャプチャーし損ねたので、上位五つのコメントを手動で拾いました。
こうなっています。
1位の堀さんは相変わらずです。
2位の水野さんは堀さんに雇われている立場ですし、こういう主張になりますね。
3位タイの加藤さんや5位の徳永さんのようなポジティブめのコメントが上位に来るのは、NewsPicksがBLOGOSやアゴラほど「ネトウヨのたまり場」と化していない証しでしょうか。
それから、この話題が上位10位に入らなかった点も注目だと思います。
要するに「現実世界で多数派を占める、政治的に中道な人たちは、コメントせずに静観していた」ということでしょう(興味ないだけかもしれませんが)。
ちなみにBLOGOSなどを見ると、「慰安婦問題が存在しなかったことを朝日新聞が認めた」かのように騒いでいる人ばかりです。
ただ、今回朝日が認めたのは、あくまで「『私自身が済州島から女性を強制連行して慰安婦にしました』というオジサンの証言がウソだったことが分かったので、このオジサンを取り上げた過去の記事16本を取り消します」ということであって、「やっぱり慰安婦問題は存在しませんでした」という話ではないわけです。
この毎日新聞の記事にもありますが、慰安婦への日本軍の関与があったことを認めた河野談話については、現政権も継承することを決めたわけですし。
朝日は5日発売の雑誌FLASHに載った「『従軍慰安婦捏造(ねつぞう)』朝日新聞記者 大学教授転身がパー」という記事に抗議してるようです。
あと、SAPIOも慰安婦がらみでめちゃくちゃなこと書いたらしく、これに対しても抗議してます。
ただ、今ではBLOGOSとかハム速の方がFLASHやSAPIOより読者多いんじゃないですかね。
内容的にはFLASHやSAPIO並みにひどいことが、こういったサイトには普通に書かれているわけで、放置している場合じゃないと思うんですけどね。
IRORIOというサイトでは「なぜ今?朝日新聞が捏造を認めたタイミングに憶測が広がる」という見出しの記事が出て、ツイッターなどで拡散しています。
悪意があるのかないのか知りませんが、「捏造」って書いちゃってますね。
捏造って「記者がゼロから話をでっち上げること」であって、今回の吉田証言は「取材相手のウソを見抜けずに、そのまま記事にしてしまった結果の誤報」なわけですよね。
こういう記事、放置していいんでしょうか?
抗議するならこっちにもした方がいいんじゃないですか?
何度も書いてますが、朝日はネット広報戦略とかソーシャル担当者とかについて真剣に検討されるべきだと思います。
ネット軽視の姿勢を続ければ続けるほど、傷口が広がるばかりです。
なお、BLOGOSとかハム速で騒いでいるネトウヨのみなさんの主張に対しては、「Fight for Justice 日本軍『慰安婦』--忘却への抵抗・未来の責任」というサイトのこの記事がきれいに反論しています。
それからアゴラの主宰者で、朝日新聞を批判するのが大好きな池田信夫氏についても、こちらの記事「真偽が確認できない時点でデマ認定していいのなら、池田信夫氏発言はほとんど全てデマになるんじゃない?」がバッサリやってくれています。
朝日新聞はネット広報担当者とかを置いて、IRORIOみたいな記事には瞬時に抗議し、自社の主張を補強するこういったサイトを積極的に紹介したらどうでしょうか。
このネット時代、「トンデモ記事の報告を上まで上げて、許可取ってから正式な抗議文を書いて、再び上の決裁もらってから正式に抗議……」なんてことやってる余裕はありません。
現場に権限を与え、積極的な情報発信をしないと、ネット上の風評被害を止められないと思います。